【マーケティング】スマートフォン広告の現状と今後の動向 Vo.1

公開日: : Marketing

“Facebook モバイルアプリインストール広告の脅威”

ここ2年半ぐらい黎明期であるスマートフォン広告(モバイルアプリマーケティング)の領域で活動してきた。

これからの動向を含めて集大成としてスマートフォン広告の現状と今後の動向について何回かでまとめてみたいと思う。

一回目としては、Facebookのモバイルアプリインストール広告。
ここ2年で最も勢力を伸ばし成功してきたのは文句なしにFacebookモバイルアプリインストール広告である。
Facebookモバイルアプリインストール広告がなぜすごいのか、そして今後の動向がどうなるかを考察してみたい。

 

Facebookの一強時代?

モバイルアプリのプロモーションをやっていますという人でFacebookモバイルアプリインストール広告をやっていませんという人はまずいないだろう。それほどまでにFacebookのポジションはモバイルアプリ広告の中で絶対的だ。
しかし、なんとなくこの絶対的な優位性を理解しつつもなぜそこまでのポジションを彼らが築いているのかについて理解している人が意外に少ないと思う。改めて彼らの戦略を明らかにしてみたいと思う。

 


Fonzie’s cousin / Foter / CC BY-NC-SA

Facebookの強みとは?

  • 巨大なユーザーベース
  • ターゲティング

その他細かいものがあるにせよ、とにかくこの2点において圧倒的に強さを持つ。
USでは、1.5億ユーザー、日本では2,500万ユーザー、インドネシアでは、6,000万ユーザーととにかくGoogleを除く広告ネットワークではおそらく最も多くのオーディエンスを抱えるネットワークであると言っても過言ではない。

しかし、Googleが可能とするターゲティングに利用できるデータはせいぜいCookieなどで集めたデータであり、Facebookの年齢、性別といったデモグラフィックから、興味関心、行動(イベント参加)などのサイコグラフィックスを網羅したソーシャルグラフと比較するとオーディエンスの顔の見え方に圧倒的な乖離が存在している。
巨大なユーザーベース上のリーチしたいオーディエンスにリーチできる広告がFacebookモバイルアプリインストール広告なのである。


shindoverse / Foter / CC BY-NC-SA

 

ネットワークの強みからプラットフォームとしての強みに

先日のF8で発表されたFacebook Analytics For AppsによりFacebookはほぼモバイルアプリマーケティングの領域で圧倒的なポジションニングを獲得した感が出ている。
(Facebook Analytics For Appsのコンセプトから伺える今後の戦略がすべて問題なく完了した場合を想定している)

このリリースまでにFacebookは着々と準備をしてきていた。

これまでFacebookは、各社をMobile Measurement Partner(簡単に言うとFacebookのモバイルアプリインストールをトラッキングできる認証を受けたパートナー)としてオープンに利用をさせていた。

しかし、2014年2月に衝撃的な事件が起こる。

FacebookがTune社(前HasOffers)が提供しているMobile App Tracking(MAT)をMobile Measurement Partnerから排除したたのだ。

当時、他社よりも先行して最も多くのデベロッパーに利用されていた(今も多くのデベロッパーに利用されている)MATを規約違反を理由にMeasurement Parnerから排除した。

これによりトラッキング業界は戦国時代に突入し各プレイヤーがしのぎを削る様相を呈した。その結果絶対的なプレイヤーがいなくなった。

そして、満を持して2015年3月にFacebook Analytics For Appsのリリース。
完璧すぎるタイミングに各プレイヤーも正直ぐうの音もでなくなったことだろう。

そして現在、Facebook Analytics For Appsを含めモバイルアプリマーケティングの領域におけるFacebookのビジネスポートフォリオを列挙してみるとFacebookでできないことがほとんどないことに気づかされる。

 

Facebook Analyticsの提供により追加された機能及びされるだろう機能

  • 他社ネットワーク含むアプリインストールトラッキング、ポストインストール分析
  • トレーディングデスク及びDSP

すでにサポート済みかつこれから強化される領域

  • DMP (ソーシャルグラフ)
  • ターゲティング
  • リターゲティング
  • リエンゲージメント
  • 動画広告
  • SSP(Facebook Audience Network)
  • *おまけ 事前登録(当然仕掛けてくると想定される)

 

そしてこれらの機能はネットワークごと、プレイヤーごとに分散されていたものであり、Facebookはこれらの機能を統合し”強み”を”強み”でさらなる付加価値を提供しているところにある。

各プレイヤーが持つ機能以上に付加価値を提供できるのだから各プレイヤーはたまったものではない。

中間事業者の価値崩壊

広告主であるアプリデベロッパーにとって最優先のオンラインプロモーションツールになるのは当然で、大規模デベロッパー以外の中小デベロッパーはむしろFacebookだけで広告予算を終えてしまうということも十分にありえる。
また、セルフマネージメントシステム(代理店やメディアレップといった中間業者を必要としないシステムのこと)の強化によりデベロッパーが単独でオンラインプロモーションを行うことができるので代理店やメディアレップなどの中間業者の存在価値がなくなるということを意味する。

代理店やメディアレップの介在価値というのは、情報の非対称による猥雑なメディアやネットワークの管理、予算の効率配置などの運用ノウハウなどにあったのだがその価値を消してしまうようなシステムを提供するというのである。DSPが代理店、SSPがメディアレップの役割を奪うのに対し、Facebookはその両方の価値を一括どりしたような形になっているのである。

 

それでも地球(エコシステム)は回っている?

そういはいってもFacebookにも弱みは存在する。
特定のセグメントに強いが特定のセグメントには弱いのがそれだ。

USでいえば、ティーネージャーのFacebook離れが顕著であり、SnapChatやVineがFacebookよりも人気だ。Facebookのソーシャルグラフに存在しないあるいは存在するが小規模なオーディエンスにリーチしたいという需要は少なからず存在するのでそうしたメディアやネットワークは存在価値はまだある。
ただ、それも台湾のように人口普及率が65%*を超えるようなマーケットではそんなことも吹き飛ばされてしまう。Facebookよりも効率的にオーディエンスにリーチできるネットワークやメディアがほぼ皆無になってきてしまっている。

さらにFacebookは、Instagram, WhatsApp、Facebook MessangerというFacebook以外のプラットフォームを持っており、Facebookに不足しているセグメントのオーディエンスをそれらで補うことが可能であり、Facebookのソーシャルグラフとも当然連携しているのである。つまり、Facebookモバイルアプリインストール広告の弱みを埋める動きも着実に動いてきているのである。

Facebookの一強時代を阻止しようとTwitterやLINEも積極的に広告ネットワーク事業に参加しているもののまだまだ遅れを取っている感は否めない。

ここに一石を投じるのは誰になるのか。非常に楽しみである。


. Entrer dans le rêve / Foter / CC BY-NC-SA

 

 

参考
*Taiwan likes Facebook, has highest penetration
http://www.taipeitimes.com/News/biz/archives/2014/02/28/2003584495

**Leading countries based on number of Facebook users as of May 2014 (in millions)
http://www.statista.com/statistics/268136/top-15-countries-based-on-number-of-facebook-users/




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