IKZOブームって何?
ニコニコ動画で2008年ぐらいに起こったIKZOブーム。
吉幾三の名曲「俺ら東京さ行くだ」を他アーティストの曲とマッシュアップさせるというもの。
吉幾三がたまたま話題になったので改めてまとめてみました。
しかし、レコードのジャケがサイケでかっこいい。
ヨシ!イクヅォ〜
日本初のラッパー!?
そもそもこの曲は、吉幾三が買ったヒップホップのレコードに触発されて作られた曲(どのアーティストかは不明)。
「俺ら東京さ行くだ」が発売されたのは1984年。
当時は、ヒップホップレジェンドのRun-DMCなどが現れ始めたヒップホップ黎明期。
そんな時代にいち早くラップをかました吉幾三は本当にすごい!!
「俺ら東京さ行くだ」がマッシュアップされた理由
そもそもマッシュアップ(mashup)とは2つ以上の曲から片方はボーカルトラック、もう片方は伴奏トラックを取り出してそれらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽の手法こと。
昔は、音源や高価な編集機器がないとできなかったのだが、昨今はDTM(デスクトップミュージック)のソフトウェアやそれ相当のスペックのPCが低価格で手に入るようになりミュージシャンだけでなく誰でも手軽に曲からトラックを抜き出し、切り貼りする事ができるようになった。
また、この曲はBPMが早いので歌謡曲、ハウス、テクノなどあらゆるジャンルの曲に簡単に合わせる事ができるのもこの曲がマッシュアップに使われた大きな理由の一つ。
作ったものをオンラインつまりニコニコ動画で作品が共有されることでどんどんと新しい作品が生まれて行くといったネットならではのブーミングもその背景にあった。
曲そのもののポテンシャルと時代の変化から「俺ら東京さ行くだ」をマッシュアップするIKZOブームが生まれたのでした。
神業な作品
様々な作品が出ているがその中でも秀逸だと思う5作品を集めてみました。
KARA Mr.(ミスター)
原曲の良さがすごい活かされてる。
そしてKARAのフックとIKZOのかけ声が絶妙。中盤のスクラッチのハメもかなりきいてる。
これ本当にすごい!
Capsule 「Starry Sky」
ニコニコ動画でマッシュアップの鬼才と言われたmoonbugのCapsule×BeastieネタにIKZOをマッシュアップしたもの。
BeastieのラップとIKZOのラップが絶妙なハーモニーを醸し出している。
どちらのラップの勢いも元ネタのサウンドに負けておらずぐいぐいと飛ばしてくる。
IKZOの中でもベストなエレクトロとのマッシュアップ!
小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギーバック」
とにかくマッシュアップが自然。
原曲にそのまま取り込まれているという感じ。ブレイクとかの作業も綿密。
IKZOの中でもベストな職人芸的な作品。
Chemical Brothers「Hey Boy Hey girl」
ケミカルのビッグビートとの相性が抜群!
「ばあさんとじいさんと〜♪」のサンプリングループが脳裏に焼き付けられるぐらい絶妙に曲の中にとけ込んでる。
柴田恭兵「RUNNING SHOT」
まずこの選曲にやられたw 知ってる人もそんなにいないんじゃないの?みたいな柴田恭兵のこの曲。
曲自体は相当中途半端なディスコサウンド。
IKZOが入ることで原曲より全然良くなってじゃないの?ってつっこみたくなる作品。
まとめ
2008年はまだまだソーシャルの黎明期だったのでニコニコ動画住人だけのブームで終ってしまった感が否めない。
2010年以降FacebookやTwitterが全盛の時代にこのブームが来ていたらもっと爆発的に広まっていただろうし、
もっと違ったカタチのIKZOが生まれてたかも。